令和２年度 大崎市民病院 病院指標

医療法における病院等の広告規制について（厚生労働省）
  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  3. 初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
  7. その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0～ 10～ 20～ 30～ 40～ 50～ 60～ 70～ 80～ 90～
患者数 668 256 290 556 719 1150 2749 3462 2285 525
　当院は，地域がん診療連携拠点病院としてがん診療を担うとともに，救命救急センターを有する県北の唯一の病院として救急医療にも尽力しております。
　また，地域医療支援病院である当院は，地域医療の中核として，質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しています。
　一方，地域周産期母子医療センターにも指定されており，妊娠後期から新生児早期までの周産期医療に力を入れていることから，新生児・乳幼児の件数が多い傾向にあります。NICU（新生児集中治療室），GCU（新生児回復治療室）を配置し，産科・小児科の連携の下，安心したお産のできる病院を目指します。
　令和2年度における，当院の退院患者は12,660人でした。特に，当地域での高齢化を反映して，60～80代の割合が多くなり，全体の約7割を占めています。
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺がんの検査（気管支鏡検査） 141 3.11 3.39 0.00% 69.76 内科用気管支鏡(前日入院用）
040040xx99040x 肺がんの化学療法（分子標的薬以外） 75 7.83 9.42 0.00% 69.20 経口抗悪性腫瘍薬
040040xx9900xx 肺がんの治療（化学療法以外） 54 11.30 13.30 41.38% 70.04
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 36 21.28 18.61 9.76% 66.36
040040xx9905xx 肺がんの化学療法（分子標的薬） 30 33.40 19.51 3.33% 69.37
　呼吸器内科では，肺がんや肺炎等の治療のための入院が多くなっています。
　令和2年度は肺がんの検査や治療を目的とした入院が多くランクインしており，その中でも肺がんの内視鏡による検査が最も多くなっています。当科は，呼吸器外科・放射線治療科・腫瘍内科等と密接に連携し，診断と治療を行っています。
　また，肺炎の患者さんも多く，一般的に高齢になるほど重症になる傾向があり，入院期間も長くなることが多いです。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈の治療（心臓カテーテル治療） 158 5.56 4.95 0.00% 64.81 高周波カテーテルアブレーション（RＦＣＡ）術
050050xx9920xx 狭心症などの心臓カテーテル検査（血管内超音波検査を伴うもの） 128 3.12 3.26 0.00% 70.10 心臓カテーテル検査
050050xx0200xx 狭心症などの手術（心臓カテーテル治療） 113 4.82 4.44 0.00% 69.38 経皮的冠動脈形成術（PCI)
050050xx9910xx 狭心症などの心臓カテーテル検査 100 3.58 3.07 0.00% 66.86 心臓カテーテル検査
050130xx9900xx 心不全の治療 97 17.58 17.23 28.04% 82.39
　循環器内科での最も多い症例は，不整脈治療としての高周波カテーテルアブレーション術です。特に，心房細動を起こした患者さんに対する原因検索・治療を行なっています。
　また，心臓に栄養を送る冠動脈の詰まりを評価するカテーテル検査を行なっています。カテーテルとは，細長い管を言いますが，カテーテルを用いた検査を多数行なっています。
　近年，高齢化に伴い，心不全患者が増加しており，心不全パンデミックと言われています。心不全の原因検索を行ない，最近，発売された複数の心不全治療薬の適応を検討しています。患者さんは，当院での急性期治療後，自宅退院したり，転院して継続治療やリハビリをされており，地域連携医療機関との連携に力を入れています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 大腸ポリープの内視鏡治療 182 3.15 2.66 0.00% 69.64 大腸ポリープ
060020xx04x0xx 胃がんの内視鏡治療 136 6.95 8.11 0.00% 73.91 内視鏡的粘膜下層剥離術
060340xx03x00x 胆管（肝内外）結石、胆管炎の治療 123 9.40 9.53 6.11% 75.92
060035xx03xxxx 大腸がんの内視鏡治療 68 6.91 6.85 0.00% 71.62 大腸粘膜下層剥離術
060140xx97x0xx 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症の内視鏡治療 44 11.48 10.83 17.39% 71.09
　消化器内科では，大腸ポリープや胃がんの内視鏡治療のための入院が多くなっています。がん検診や人間ドックなどで早期に発見されたがんに対する内視鏡治療を行っています。消化管の内視鏡的治療の一例として，胃がんに対する治療があります。早期胃がんに対して上部消化管内視鏡（胃カメラ）を用いて治療を行います。粘膜下層剥離術（ＥＳＤ）が主な治療方法となっています。次に胆石や胆管炎といった胆道の病気が挙げられます。胆石で胆管が詰まって炎症を起こすなどが典型的な症例で，胆管をチューブで広げる，胆石を除去するなどの治療が内視鏡を用いて開腹することなく行われます。
　消化器がんの治療は，外科，腫瘍内科と連携を取り行っています。
腎臓・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 腎炎・腎不全の治療（経皮的腎生検を含む） 90 9.09 11.04 12.24% 57.29 エコー下腎生検
110280xx9901xx 腎炎・腎不全の治療（透析あり） 49 13.57 14.01 2.00% 64.96 透析導入
110280xx02x00x 腎炎・腎不全の治療（内シャント設置術） 10 22.20 8.15 14.29% 64.40
050130xx9902xx 心不全の治療（透析あり） 10 11.40 24.18 39.29% 73.50
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症などの静脈サンプリング検査 - - 3.73 - -
　当科の最も多い病名は腎炎・腎不全です。これは日本人の高齢化により，高血圧・動脈硬化性疾患の最終像としての腎不全が年々増加している傾向と関連するもので，心臓の病気とも密接な関わりがあります。腎臓の組織を採取する腎生検や，薬物療法のほか血液浄化療法（透析など）を行います。
　また，高血圧症には，血圧を調整するホルモンや血管の異常で血圧が上昇する疾患が隠れていること（二次性高血圧症）もあり，当科では，二次性高血圧症が隠れていないかどうかを詳しく検査しています。
糖尿病・代謝内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx ２型糖尿病の治療（インスリン注射あり） 49 14.53 14.60 7.55% 57.84 糖尿病
100040xxxxx00x 糖尿病による意識障害や昏睡の治療 19 14.79 13.33 9.09% 51.16
10006xxxxxx1xx １型糖尿病の治療（インスリン注射あり） - - 13.57 - -
100050xxxxxxxx 低血糖症（糖尿病治療に伴う場合）の治療 - - 7.79 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症の治療 - - 13.00 - -
　糖尿病・代謝内科では，糖尿病や脂質異常症・高度肥満症などの代謝疾患について治療を行っています。最も多いのは2型糖尿病の治療となっています。また，近隣医療機関より高血糖の是正やインスリン導入・合併症精査目的に紹介される症例や，他診療科より術前やステロイド導入後の血糖コントロールを依頼される症例が多くを占めています。
　糖尿病については，毎週水曜日の午後に糖尿病教室を開催し，糖尿病患者さんの知識を深めるためのお手伝いに積極的に取り組んでいます。代謝疾患においては，患者さん自身も主治医チームの一員として，医師，看護師，薬剤師，管理栄養士，臨床検査技師，理学療法士などと協力しながら治療することが大切ですので，チーム医療で疾患治療に取り組んでいます。この糖尿病教室は，当院通院中の方でなくても糖尿病患者でなくても参加可能です。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞（脳卒中発症3日目以内でJCS10未満、発症前ADLが軽度の障害）の治療（脳保護剤使用） 94 18.29 15.64 56.25% 70.69 脳梗塞
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作の治療 30 5.00 6.36 3.23% 71.37
010230xx99x00x てんかんの治療 26 8.15 7.48 15.38% 63.81
010060x2990411 脳梗塞（脳卒中発症3日目以内でJCS10未満、発症前ADLが軽度の障害、てんかんなどの合併症あり）の治療（脳保護剤使用） 21 17.57 17.35 50.00% 79.29
010060x2990400 脳梗塞（脳卒中発症3日目以内でJCS10未満、発症前ADLが中等度以上の障害）の治療（脳保護剤使用） 19 15.95 19.18 84.21% 85.16
　脳神経内科で扱う病気で，最も多いものは急性期脳梗塞となっています。患者さんの状態と，行った治療内容によりＤＰＣコードは異なっていますが，トップ5のうち脳梗塞が大半を占めています。血栓溶解療法で超急性期治療を行えば，後遺症を少なくすることができます。なお，ＪＣＳは意識障害の深度を評価する分類で，桁数が大きくなるほど意識レベルが低下していることを表します。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 悪性リンパ腫の化学療法（リツキシマブ）（好中球減少症への治療薬使用） 34 21.03 20.27 0.00% 73.38 化学療法汎用入院
130010xx97x2xx 急性白血病の化学療法（輸血あり） 24 38.58 38.35 8.33% 56.04
130030xx97x50x 悪性リンパ腫の化学療法（リツキシマブ）（好中球減少症への治療薬使用）（輸血あり） 19 30.63 31.90 5.26% 73.89
130030xx99x3xx 悪性リンパ腫の化学療法 13 26.23 16.62 0.00% 63.62
130030xx99x4xx 悪性リンパ腫の化学療法（リツキシマブ） 12 15.75 11.14 0.00% 67.42
　当科は完全無菌室（クラス100）を8床有し，急性白血病・悪性リンパ腫に対する強力な化学療法や造血幹細胞移植にも対応可能です。
　造血幹細胞移植は平成15年度から行っており，令和2年度までに計143件の実績があります。
腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x6xx 大腸（結腸）がんの化学療法（ベバシズマブ） 153 3.54 4.51 0.00% 69.15 反復化学療法汎用入院
060035xx99x7xx 大腸（結腸）がんの化学療法（パニツムマブ等） 86 3.40 4.94 0.00% 67.90
060040xx99x70x 直腸がんの化学療法（パニツムマブ等） 57 2.98 4.47 0.00% 70.84
060040xx99x6xx 直腸がんの化学療法（ベバシズマブ） 52 3.79 4.48 0.00% 64.54
06007xxx9906xx 膵臓がんの化学療法（フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+イリノテカン塩酸塩+オキサリプラチン） 47 4.40 5.41 2.13% 66.45
　当科では消化器がんを中心に，各種進行がんに対して，最新のがん薬物療法を行っています。また，がん薬物療法と並行して緩和支持療法を行い，一人一人の生活スタイルにあった治療を続けられるよう支援しています。
　臓器別の各診療科と連携しながら，原発不明がん，甲状腺がん，皮膚がん，頭頚部がんなど，多くの進行がんの全身治療も担当します。
　治験や臨床試験にも参加し，新しい治療法の開発に寄与しています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギーの検査 139 1.00 2.12 0.00% 1.88 食物アレルギー負荷試験
030270xxxxxxxx 上気道炎　 51 3.25 4.85 1.82% 2.55
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎 36 4.00 6.47 2.56% 4.39
140010x199x0xx 低出産体重児（出生時体重2500g以上） 36 4.03 6.13 0.00% 0.00
040100xxxxx00x 喘息 28 4.61 6.46 0.00% 2.71
　小児科では食物アレルギーに対して日帰り入院での検査を行っています。その他に，肺炎や気管支炎，気管支喘息といった小児呼吸器疾患の症例が多くなっています。患者さんの平均年齢が5歳未満であり，小さなお子さんの呼吸器治療の重要性が分かります。
　また，ＮＩＣＵ（新生児集中治療室）では，地域周産期母子医療センターとして地域の中心的役割を担い，ハイリスクな分娩をはじめ，周辺地域の産院からの新生児搬送を受け入れ，早産・低出生体重児を中心に診療しています。
　平成27年度に新設した小児外科との連携で，仙台でしか受けられなかった治療の一部が，大崎でも可能となりました。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア（15歳以上）の手術 100 4.79 4.86 1.00% 68.64 成人鼠径ヘルニア手術（前日）
060035xx010x0x 大腸（結腸）がんの手術 84 12.38 16.19 2.38% 71.39 腹腔鏡下結腸切除術（前日）
060210xx99000x 腸閉塞の治療 73 9.56 9.08 6.93% 71.08
060330xx02xxxx 胆のう結石症の手術 67 5.06 6.41 0.00% 62.64 腹腔鏡下胆嚢摘出術（前日）
060020xx02xxxx 胃がんの手術 66 15.03 19.04 4.55% 69.74 腹腔鏡下胃切除
　診断群分類上，外科で最も多い症例は鼠径ヘルニアで，子供だけでなく成人にも多くみられ特に40歳以上の男性がなりやすい傾向にあります。次に多い症例は，大腸がんの手術がランクインしています。患者さんの経過の一例としては，消化器内科で検査を行った後に，外科にて入院，手術を行い，腫瘍内科にて化学療法のために計画的に短期入院を繰り返すというものが挙げられます。在院日数も全国平均と比較しても全般的に短い入院期間となっています。胆のう結石症の症例も多く当院では胆のう結石の手術は腹腔鏡下で行われており，主にクリニカルパスを用いた入院プログラムで診療しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
050161xx9900xx 解離性大動脈瘤の治療 12 21.42 17.53 14.29% 75.42 心臓血管外科　術前～術後パス
050161xx97x1xx 解離性大動脈瘤の手術 11 33.45 29.23 18.18% 65.73
050050xx0101xx 狭心症，慢性虚血性心疾患の手術 - - 22.22 - -
050080xx0101xx 弁膜症の手術（ロス手術等） - - 22.56 - -
050163xx01x1xx 胸部大動脈瘤の手術 - - 28.61 - -
　心臓血管外科が行う手術は，目の前の命を救うための手術です。一人一人の患者さんに丁寧に向き合い，安全に治療することを何より第一に心がけます。指導医・専門医を含む体制で，狭心症や心筋梗塞，弁膜症，大動脈瘤や大動脈解離などを担当します。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺がんの手術 67 8.79 10.83 0.00% 69.90 胸腔鏡下肺葉切除術
040040xx9910xx 肺がんの検査 66 3.03 3.39 0.00% 71.85 外科用気管支鏡　(前日入院用）
040200xx01x00x 気胸の手術 30 8.83 10.08 0.00% 36.67 胸腔鏡下自然気胸術
040200xx99x00x 気胸の治療（手術なし） 19 9.68 9.18 8.33% 62.11
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍の手術 - - 8.40 - -
　当科は呼吸器の病気に対し，呼吸器内科や放射線治療科と協力しながら，手術を中心とした治療を行っています。
　手術は，体の負担が少ない胸腔鏡下手術を積極的に採用しているため，平均在院日数が短くなる傾向があります。気胸の手術の方は，肺からの空気漏れが止まらずに手術を追加する方が多く平均在院日数はやや長めです。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫（JCS10未満）の治療 92 16.42 18.86 72.04% 71.48
160100xx97x00x 頭部外傷の手術 50 13.08 9.68 40.91% 76.02
160100xx99x00x 頭部外傷の治療 39 7.92 8.18 16.13% 71.92
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫（JCS10以上）の治療 25 20.28 22.35 75.00% 73.96
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫の手術 12 15.92 12.04 50.00% 80.92
　脳神経外科では，手術を最終手段として，脳のあらゆる疾患を診療しています。おもな対象疾患は脳卒中，頭部外傷です。
　脳血管障害については，当院は脳血管内治療指導医在籍施設であり，600例以上の豊富な治療実績があります。
　くも膜下出血の手術や脳梗塞に対する血行再建術，血管奇形などの治療も行います。
　また，地域がん診療連携拠点病院でもあり，転移性脳腫瘍の治療も増加しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿骨骨折の手術 209 17.88 25.09 94.26% 83.31 大腿骨骨折地域連携パス
070341xx020xxx 脊柱管狭窄（頸部）の手術 41 18.49 19.90 58.54% 74.24 頸椎症性脊髄症
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄（腰部）の手術 39 16.18 16.10 33.33% 71.62 腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折の手術 38 11.68 18.74 36.84% 55.89 下肢骨折
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、変形性股関節症の手術 28 21.43 21.03 28.57% 70.71 変形性股関節症
　整形外科では，頭部と内臓を除く，骨，関節，腱，靱帯，筋肉，末梢神経などの外傷や障害を専門的に担います。
　地域の年齢推移と同様に，大腿骨骨折の症例数は年々増加しています。また，脊柱管狭窄症の症例も増加し，男女別から見ると男性の患者さんが約7割となっています。
　当科では，地域との連携を重視し，外傷の緊急手術や手術目的でご紹介いただいた患者さんに迅速に対応し，早期機能回復に努め，病診・病病連携を通じ，術後リハビリの役割分担をはかりながらＡＤＬ（人間の基本的な日常動作）の獲得，ＱＯＬ（生活の質）の向上を目指しています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺がんの検査 195 2.17 2.54 0.00% 68.50 前立腺生検
110070xx03x20x 膀胱がんの手術（化学療法あり） 102 6.59 7.05 0.00% 72.11 経尿道的膀胱腫瘍切除術
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症の治療 54 9.72 13.00 30.00% 77.15
110060xx99x20x 腎盂・尿管がんの化学療法 43 9.33 10.12 0.00% 70.16 全身化学療法（GC）
110070xx03x0xx 膀胱がんの手術 39 7.92 7.13 2.56% 73.64 経尿道的膀胱腫瘍切除術
　泌尿器科の診療は，がんの検査・治療・手術が中心となっています。特に高齢の方の前立腺がん，膀胱がんが多くなっております。尿路感染症で緊急入院される方も多数おられます。抗がん剤，分子標的薬，免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法は主に外来にて実施しております。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 既往帝王切開後の妊娠（帝王切開術） 85 9.06 9.45 0.00% 34.36 帝王切開(7日目）
120170x199xxxx 早産、切迫早産（妊娠週数34週未満）の治療 25 15.84 21.68 16.00% 30.92
120260xx01xxxx 分娩異常時の手術 21 9.95 9.45 0.00% 35.00
120180xx99xx0x 胎児発育不全等の治療 10 11.90 6.13 10.00% 30.70
120170x101xxxx 早産、切迫早産（妊娠週数34週未満）の手術　帝王切開術等 - - 37.20 - -
　当院は地域周産期母子医療センターとして，大崎市を中心に県北までの母体搬送を受け入れ，常位胎盤早期剥離などの緊急の処置が必要な妊婦さんや切迫早産，妊娠高血圧症候群などの妊婦さんを受け入れています。
　産褥においては，お母さんの体調回復はもちろんのこと，母子の生活リズムに沿った母乳育児を目標にしています。
　また，平成26年にはＮＩＣＵ（新生児集中治療室）が新設され，より多くの母体，胎児の受け入れを行うことができるようになりました。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮筋腫（良性）の手術 77 9.73 9.57 0.00% 44.22 開腹手術
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍の手術（腹腔鏡手術） 49 5.04 6.16 0.00% 42.39 ラパロ下手術
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍の手術（開腹手術） 46 9.70 10.00 0.00% 48.76
12002xxx02x0xx 子宮頸がんの手術 45 3.98 3.11 0.00% 39.22 円錐切除術
12002xxx99x40x 子宮がんの化学療法 42 3.19 4.44 0.00% 65.62
　婦人科では，良性疾患に対する手術療法では，可能な限り腹腔鏡下手術を行います。悪性腫瘍（がん）に対しては，手術療法・化学療法（抗がん剤治療）・放射線療法を組み合わせた集学的治療を行っています。
　治療法の選択はガイドラインに則り，さらに患者さんの希望や全身状態，社会的背景を考慮し決定します。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障の手術 436 2.05 2.76 0.00% 76.80 白内障
020160xx97xxx0 網膜剥離の手術 33 6.03 8.97 0.00% 60.12 硝子体手術
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症の手術 31 5.52 6.98 0.00% 50.94 硝子体手術
020200xx9710xx 黄斑、後極変性の手術 30 4.20 6.49 0.00% 67.43
020240xx97xxx0 硝子体疾患の手術 22 3.82 5.65 0.00% 72.55
　眼科の入院はほとんどが手術目的となります。
　糖尿病性網膜症や黄斑などの網膜や硝子体の病気は，放置することで失明の危険性がある重篤な病気であり，当院では治療に力を入れています。東北大学病院の関連施設として，角膜疾患や重度の緑内障，広範囲の形成手術を必要とするまぶたの疾患など専門性の高い疾患に関しては大学病院と連携して治療を行っています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴の治療 50 8.68 8.81 0.00% 58.48
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎の治療 47 5.45 5.63 0.00% 44.51
030400xx99xxxx 前庭機能障害（めまい）の治療 43 6.40 4.94 0.00% 64.35
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎の治療（手術含む） 38 6.18 6.71 0.00% 48.76 鼻内視鏡手術(全麻）
030390xx99xxxx 顔面神経障害の治療 31 8.87 9.17 0.00% 60.06
　当科は宮城県北唯一の耳鼻咽喉科医常勤施設として，耳鼻咽喉科疾患全般に対応しており，できる限り大崎地域で治療が完結するよう努めています。
　突発性難聴や慢性副鼻腔炎，扁桃周囲膿瘍などの急性期入院加療を行っており，上気道狭窄や頚部腫瘍，頚部外傷などに対しても積極的に臨床手術を行い対応しています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎の治療 46 5.26 20.51 64.52% 84.91
161070xxxxx00x 薬物中毒の治療 42 3.26 3.81 16.00% 46.67
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症の治療 23 5.48 13.00 30.00% 83.26
161020xxxxx00x 熱中症，低体温症などの体温異常の治療 21 3.48 6.10 41.67% 74.05
030400xx99xxxx 前庭機能障害（めまい）の治療 18 2.28 4.94 0.00% 65.33
　救急科では，各科専門医と連携して，病気や症状を限定することなく，救命救急センターでの特に重症な救急患者の初期診療，重症患者の集中治療，病院前救護，災害医療，メディカルコントロールを行っています。
　当地域では夜間入院に対応できる医療機関が限られており，薬物中毒の救急疾患による入院も多く見られます。これらの患者さんは，精神科的な背景も多くあり，精神科との協力体制が欠かせません。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚がんの手術 20 8.65 7.71 0.00% 78.00
080010xxxx0xxx 蜂巣炎の治療 10 10.30 12.87 9.52% 67.10
080190xxxxxxxx 脱毛症の治療 - - 3.38 - -
080007xx010xxx 皮膚の良性腫瘍の手術 - - 4.06 - -
080250xx9701xx 褥瘡潰瘍の手術・処置 - - 45.88 - -
　皮膚科では皮膚がんに対する腫瘍の切除手術が最も多くなっています。次に多い症例は蜂巣炎で，皮膚の真皮から皮下脂肪にかけて細菌が感染しておこる病気です。一般開業医では診断できない皮膚疾患の症例に対し，生理検査，CT，MRI，超音波検査等を用いて診断し，必要に応じた治療を行っています。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
（自院）		 平均
在院日数
（全国）		 転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患の治療 18 14.89 15.28 27.27% 67.28
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患の治療（免疫グロブリン製剤使用） - - 23.08 - -
070560xx99x01x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患の治療（真菌感染症あり） - - 25.09 - -
070560xx97xxxx 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患の治療（手術あり） - - 37.12 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチの治療 - - 15.90 - -
　リウマチ科では，リウマチや膠原病の最先端の治療を行っています。当院では，外来を中心にリウマチ性疾患の診断・治療を行っています。膠原病は，腎などの内臓障害を伴うこともありますので，早い診断と治療が大切です。
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準（※）		 版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 207 17 9 47 11 110 1 8
大腸癌 92 38 52 72 86 425 1 8
乳癌 42 34 11 2 4 13 1 8
肺癌 61 20 50 93 8 197 1 8
肝癌 6 1 6 4 3 19 1 8
※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約
　当院は宮城県北唯一の地域がん診療連携拠点病院として，地域の皆さまとともに宮城県北に「がんになっても安心して暮らせる社会」を実現したいと考えています。
　当院では，がんセンターを設置し，腫瘍内科を中心に，がんを扱うあらゆる診療科や職種が連携して診療に携わっております。消化器，肺，血液，泌尿器，婦人科，乳がんなどの領域で，県内でもトップクラスの診療を行ってきました。
　なかでも消化器内科・外科で胃がん・大腸がん・肝がんの患者さんを，呼吸器内科・呼吸器外科で肺がんの患者さんを多く診療しています。乳がんにつきましては乳腺外科にて診療を担当しています。

胃がん・大腸がん・肝がん
　胃がんは特に早期であるⅠ期の患者さんの割合が高く，これはできるだけ早期のうちに内視鏡的治療や腹腔鏡下治療といった比較的患者さんへのダメージが少ない治療を行うことによって，患者さんの負担を減らそうという試みが表れていると言えます。

肺がん
　原発性肺がんは5大がんのうち，本邦における全がん死数の第1位であります。
　このため治りにくいがんの一つに数えられており，病期別に見ると，最も治療成績がよいのは完全切除が期待できるⅠ期であり，Ⅲ期以上になると，手術適応から外れることが多くなります。当院の症例ではⅣ期が多いことから，すでに進行例が多いことが治療成績を悪くする大きな原因になっております。症状がなくても健康診断を受け，胸部エックス線写真や，胸部ＣＴ検査で早期の肺がんを発見し，迅速に診断，治療を行うことが治療成績向上のカギです。

乳がん
　乳房は体表面に位置するため，乳房腫瘤の自覚によって乳がんを発見されることが最も多くなっております。また，検診マンモグラフィーの普及により，早期発見される症例も増えております。その結果，Ⅰ期・Ⅱ期が大半を占める状況となっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数		 平均年齢
軽症 3 5.67 56.33
中等症 51 11.96 68.02
重症 18 14.78 79.00
超重症 16 7.94 85.44
不明 - - -
　本邦5位の死因である肺炎です。
　重症度が低い患者さんの平均年齢が50歳代であるのに比べて，重症から超重症では年齢が70代から80歳代となっており，市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることが分かります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 307 19.15 77.06 59.58%
その他 27 19.37 68.74 5.39%
　症例のほとんどが，脳神経外科および脳神経内科に入院された患者さんで，特に発症日から3日以内の急性期脳梗塞が集計全体の9割以上を占めています。
　急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は75歳を超え，高齢者の方が多くなっています。平均して20日ほどの入院期間で治療とリハビリを行い，自宅や施設に帰られるか，または，半数以上の患者さんが継続リハビリのため，よりリハビリを専門に行っている病院に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術（心房中隔穿刺、心外膜アプローチ） 138 1.25 3.86 0.72% 66.53 高周波カテーテルアブレーション（RＦＣＡ）術
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術（その他） 60 2.92 3.48 3.28% 70.70 経皮的冠動脈形成術（PCI)
K5972 ペースメーカー移植術（経静脈電極） 44 3.34 7.39 9.09% 80.07 ペースメーカー植え込み術（ＰＭＩ）
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術（急性心筋梗塞） 43 0.00 17.88 6.98% 67.37 経皮的冠動脈形成術（PCI)
K597-2 ペースメーカー交換術 30 1.00 1.27 3.23% 81.67 ペースメーカー電池交換
　近年，心不全パンデミックと言われており，ご高齢な患者さんの心不全が増加してきています。新規に導入された心不全治療薬も多くあり，それらを用いて治療を行なっています。その原因疾患として多いのが，心房細動，心筋梗塞があります。経皮的カテーテル心筋焼灼術とは，カテーテルアブレーションと言われ，心房細動を治療するカテーテル手術です。
　経皮的冠動脈ステント留置術とは，心筋梗塞で詰まった心臓の動脈（冠動脈）を再開通させ，ステントを内ばりする手術です。
　ペースメーカー移植術・交換術とは，脈が遅くなってしまい，意識消失したり，心不全をきたしてしまったときに，心臓のリズムを補う役割をしてくれる小さな機械を体に植え込んだり，交換したりする手術です。心臓の動きの監視や治療を行ないます。ペースメーカーは，心臓の電気的信号を24時間監視し続け，患者さんの心臓のリズムを整える必要があるときには，電気的刺激を送って治療を行ないます。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満） 162 1.08 1.18 0.61% 69.51 大腸ポリープ
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術（早期悪性腫瘍胃粘膜） 132 1.06 4.89 0.00% 73.56 内視鏡的粘膜下層剥離術
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 94 1.21 4.96 0.00% 71.03 大腸粘膜下層剥離術
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 66 2.59 8.36 13.16% 75.59
K654 内視鏡的消化管止血術 59 0.88 8.76 22.54% 70.76
　消化器内科では，内視鏡を用いて大腸や胃の病変部を観察し，必要と診断された場合，ポリープや腫瘍を切除しています。最も多く行われているのは，大腸ポリープの切除術です。2位は早期の胃がんに対する内視鏡的早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術（ESD）で，内視鏡的に腫瘍を切除する治療法です。上位2つとも共通して術前術後の入院日数が少ないことが特徴です。
　救命救急センターを有する当院では，吐下血に対する止血術や，急性胆管炎に対する治療などを緊急時にも対応できるような体制を整えています。
腎臓・内分泌内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6121ｲ 末梢動静脈瘻造設術（内シャント造設術）（単純） 16 12.06 18.25 20.00% 64.88
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術（初回） - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K610-4 四肢の血管吻合術 - - - - -
K2762 網膜光凝固術（その他特殊） - - - - -
　当科では，地域の先生方との役割分担を推奨しながら，患者さんの利便性向上のため，透析アクセス関連の手術を外科や放射線診断科の先生と連携し担当しています。
腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用埋込型カテーテル設置（四肢） 37 0.81 3.97 0.00% 66.32 入院CVポート造設
K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 35 2.34 10.57 7.89% 70.71 腹水濾過濃縮再静注法
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K664 胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む） - - - - -
　当科では消化器がんを中心に，化学療法（抗がん剤治療）や緩和治療を行っています。
　最も多く行われているのは，抗がん剤治療を行うにあたって，点滴薬を注入する際の入り口を作る手術です。カテーテルを埋め込むことで頻回に行われる抗がん剤点滴が安定かつ安楽に行うことができます。2位はがん性の胸水・腹水を穿刺・濾過して必要な成分のみを点滴で戻す治療です。
　腫瘍内科では，患者さん一人一人の生活スタイルに合った治療を続けられるよう支援しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 119 1.12 4.00 0.83% 63.43 腹腔鏡下胆嚢摘出術（前日）
K6335 鼠径ヘルニア手術 99 0.91 2.43 1.01% 62.29 成人鼠径ヘルニア手術（前日）
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 74 2.15 8.20 2.70% 72.82 腹腔鏡下結腸切除術（前日）
K4762 乳腺悪性腫瘍手術（乳房部分切除術）（腋窩部郭清を伴わない） 52 1.00 3.56 0.00% 62.75 乳腺腫瘍手術（乳房温存用）
K655-22 腹腔鏡下胃切除術（悪性腫瘍手術） 52 1.40 10.23 1.92% 70.10 腹腔鏡下胃切除
　外科では，当院診療科の中でも患者用パスを先駆けて導入し，様々な病気・手術を担当しています。特に手術は，患者さんへの負担を軽減する観点から，内視鏡を用いた手術の実施を心がけています。
　胆のう炎や胆石症などの病気に対して，胆嚢摘出術を行っています。急性胆のう炎を起こされた患者さんは，まず内科的な治療で炎症を改善させて一旦退院し，改めて外科に手術目的に再入院するケースが典型的です。当院で行う胆嚢摘出術は，腹腔鏡下で行われることが多く，手術に対する患者さんの負担をできるだけ小さくするよう努めています。
　鼠径ヘルニアは，特に発生する頻度の高いヘルニアで，当院で行う手術数も多くなっています。
　3位は大腸がんに対する結腸の，4位は胃がんに対する胃の切除手術です。当院は地域がん診療連携拠点病院として，診療科の垣根を越えた連携のもと，患者さんへの治療方法を選択・実施しております。
　同じく4位は乳がんに対する手術です。外科には乳腺外科指導医を含む2名体制で診療にあたり，根治性と美容面を重視した乳房温存手術，センチネルリンパ節生検を積極的に行っています。乳房再建実施施設にも認定されているので，保険でインプラントを用いた再建が可能です。形成外科の医師と連携し担当しています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術（１弁） 10 10.10 47.30 30.00% 73.00 心臓血管外科　術前～術後パス
K5601ﾛ 大動脈瘤切除術（上行）（人工弁置換を伴う基部置換術） - - - - -
K5601ﾆ 大動脈瘤切除術（上行大動脈）（その他） - - - - -
K5552 弁置換術（２弁） - - - - -
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術（人工心肺不使用）（２吻合以上） - - - - -
　心臓血管外科は，平成26年度より当院での手術を開始しました。
　当科におけるＫコード手術件数1位と4位は，弁置換術です。痛んだ心臓の弁を人工の弁（機械弁または生体弁）に取り替える手術で，2つ以上の弁を同時に取り替える手術や，痛んだ弁を直す弁形成術を行うことがあります。
　2位と3位は大動脈瘤が出来た血管を切除して，人工血管に取り替える手術で，急性大動脈解離に対して行なわれることもあります。切除が必要な血管の場所や範囲により，手術の方法が異なります。
　冠動脈，大動脈バイパス移植術は，患者さんから採取した血管で，心臓への新たな血液が流れる路を作る手術です。早期に治療することで，生活の質の向上につながります。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（肺葉切除又は１肺葉を超える） 45 1.00 6.58 0.00% 70.20 胸腔鏡下肺葉切除術
K5131 胸腔鏡下肺切除術（肺嚢胞手術（楔状部分切除）） 31 4.68 3.42 0.00% 38.84 胸腔鏡下自然気胸術
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（部分切除） 10 1.60 4.50 0.00% 72.40
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（区域切除） - - - - - 胸腔鏡下肺葉切除術
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 - - - - -
　呼吸器外科で最も多い手術は，高齢者に発症することが多い原発性肺がんや転移性肺がんに対して肺の一部分を切除する手術です。がんの進行度と悪性度および患者さんの耐術能（手術や麻酔に耐える力）を呼吸器内科や放射線治療科と吟味し，協力しながら患者さんに適した手術選択を心がけています。
　当科での手術は，体の負担が少ない胸腔鏡下手術を積極的に採用しています。また，機能温存のため，気管支形成術，血管形成術などの手術も行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 65 1.65 13.51 46.15% 78.62
K1781 脳血管内手術（１箇所） 31 0.61 25.71 32.26% 64.26
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング（１箇所） 12 1.08 31.92 50.00% 68.33
K164-5 内視鏡下脳内血腫除去術 - - - - -
K178-4 経皮的脳血栓回収術 - - - - -
　当院には脳神経内科と脳神経外科が密に連携する脳神経センターがあり，最大の特徴は，365日24時間体制で救急医療に対応できる体制を整えていることです。
　脳塞栓症に対する血栓溶解療法に加え，脳神経外科では，カテーテル技術を用いる脳血管内治療のほか，神経内視鏡を用いて小さな傷口で行う脳内出血の除去などを積極的に行っています。
　一刻を争うことの多い疾患に対し，複数の医師，看護師，放射線技師，臨床工学技士など多職種が協力しながら治療を行っています。
　手術機器の進化へ対応しながら治療技術を向上し，24時間体制下の救急医療を提供することが使命であり，回復期・慢性期のリハビリテーションや介護に関しては，周辺施設との地域医療連携ネットワークを活用し，地域完結型の医療を目指しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術（大腿） 158 5.99 11.08 93.75% 83.66 大腿骨骨折地域連携パス
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術（椎弓形成） 85 3.22 14.05 50.57% 72.00 腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニア
K0462 骨折観血的手術（下腿） 50 6.12 9.94 56.00% 58.06
K0811 人工骨頭挿入術（股） 47 8.02 10.36 95.74% 81.98
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術（後方又は後側方固定） 33 6.76 16.12 60.53% 69.15
　整形外科の手術1位は大腿骨骨折の手術です。多くは大腿骨近位部骨折で骨粗鬆症のある高齢者に多く，その多くは転倒によるものです。4位にランクインした股関節の人工骨頭挿入術も大腿骨の近位部骨折である頚部骨折に対して行われる手術です。2位は脊椎のヘルニアや頚椎や腰椎の脊柱管狭窄症への手術です。5位は，主に脊椎外傷に対する手術です。
　当院整形外科では，救急医療と高度医療に対応すべく，回復期におけるリハビリテーションや介護に関しては，回復期のリハビリテーションを得意としている病院や周辺施設との地域連携を行い，地域完結型の医療を目指しています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術（単純切除） 19 1.11 5.47 0.00% 78.68
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ未満） - - - - -
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術（露出部）（長径２ｃｍ以上４ｃｍ未満） - - - - -
K0071 皮膚悪性腫瘍切除術（広汎切除） - - - - -
K013-21 全層植皮術（２５ｃｍ２未満） - - - - -
　皮膚科では皮膚に発生した腫瘍（できもの）の切除が最も多く行われています。1位と4位は悪性の腫瘍（皮膚がん）に対する手術で，腫瘍の種類や広がりなどにより切除する範囲が異なります。1位の単純切除はリンパ節を切除しない手術方法で，比較的早期に発見された場合に行ないます。2位と3位は良性の腫瘍に対する手術です。全層植皮術は，自分の身体から採取された皮膚が自分に植えられる植皮のことで，腫瘍切除後の欠損部分に行われる手術です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ｲ 膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用） 151 1.32 4.83 0.66% 73.07 経尿道的膀胱腫瘍切除術
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 50 1.20 7.28 14.29% 71.70
K8411 経尿道的前立腺手術（電解質溶液利用） 33 1.55 5.36 2.94% 70.73 経尿道的前立腺切除術（入院用）
K773-2 腹腔鏡下腎（尿管）悪性腫瘍手術 22 1.50 9.18 0.00% 71.00 鏡視下手術
K843-3 腹腔鏡下小切開前立腺悪性腫瘍手術 21 1.38 9.43 0.00% 67.48 前立腺全摘術（前日入院用）
　泌尿器科の手術は特に膀胱がんが多く，経尿道的手術は県内最多となっており，現在年間150件以上行っています。第2位の経尿道的ステント留置術は，腎臓と膀胱をつなぐ管である尿管が，腫瘍・結石など何らかの原因で狭くなった場合に行う治療です。尿管ステント交換も含めると年間200件以上行っています。第3位の経尿道的前立腺手術は，前立腺肥大症手術の標準的な術式といわれています。第4位は腎がんや尿管がん，第5位は前立腺がんに対する手術となっています。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術（選択帝王切開） 97 4.20 6.89 0.00% 34.24 帝王切開(7日目）
K8981 帝王切開術（緊急帝王切開） 38 5.58 7.45 0.00% 34.24 緊急帝王切開(7日目)
K8961 会陰（腟壁）裂創縫合術（分娩時）（筋層に及ぶ） - - - - -
K9062 子宮頸管縫縮術（シロッカー法） - - - - -
K909-2 子宮内容除去術（不全流産） - - - - -
　当科は，小児科との連携のもと，地域周産期母子医療センターとしての役割を有し，大崎市はもとより，県北広範囲に渡って母体搬送を受け入れています。特にハイリスク妊娠や分娩を取り扱うことが多く，帝王切開術（選択ならびに緊急）がＫコードの上位となっています。
　平成26年に新生児治療室（ＮＩＣＵ）が設置され，より多くの母体，胎児の受け入れを行うことができるようになりました。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 70 1.03 7.87 0.00% 47.40 開腹手術
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（腹腔鏡） 51 0.96 3.10 0.00% 42.55 ラパロ下手術
K867 子宮頸部（腟部）切除術 45 1.00 1.98 0.00% 39.22 円錐切除術
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術（両側）（開腹） 44 1.64 7.27 0.00% 47.30 開腹手術
K879 子宮悪性腫瘍手術 24 1.83 9.58 4.17% 59.38 開腹手術
　婦人科では，子宮筋腫・卵巣腫瘍・子宮内膜症などの良性疾患，子宮頚がん・子宮体がん・卵巣がんといった婦人科悪性腫瘍，子宮脱や更年期障害，月経異常などの婦人科疾患の診断・治療にあたっています。治療法の選択はガイドラインに則り，さらに患者さんの希望や全身状態，社会的背景を考慮して決定します。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ﾛ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入）（その他） 440 0.05 1.04 0.00% 76.59 白内障
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術（網膜付着組織を含む） 112 0.20 4.44 0.00% 61.12 硝子体手術
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術（その他） 23 0.00 3.04 0.00% 69.04 硝子体手術
K2821ｲ 水晶体再建術（眼内レンズを挿入）（縫着レンズ挿入） - - - - -
K239 眼球内容除去術 - - - - -
　眼科での手術1位と4位は白内障の手術です。上記は入院での手術件数です。外来での日帰り手術も積極的に行っており，令和2年度の外来手術件数は年間約480件でした。
　2位・3位には糖尿病性網膜症や黄斑などの病気の治療のための手術がランクインしています。この病気は，放置することで失明の危険性がある重篤な病気であり，当院では力を入れています。また，より専門性の高い疾患に関しては，東北大学病院と連携して治療を行っています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数		 平均
術後日数		 転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術（摘出） 45 1.07 5.53 0.00% 33.07 成人用口蓋扁桃摘出術
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術） 41 0.98 4.46 0.00% 54.32
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 15 2.13 4.93 0.00% 44.20
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術２型（副鼻腔単洞手術） 12 0.92 4.00 0.00% 74.50
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術４型（汎副鼻腔手術） 11 1.00 4.09 0.00% 47.82
　宮城県北唯一の耳鼻咽喉科医常勤施設として，耳鼻咽喉科疾患全般に幅広く対応しています。
　慢性副鼻腔炎，扁桃周囲膿瘍などの改善のための手術が上位にランクインしています。
　その他，慢性中耳炎に対する鼓室形成術をはじめ、顎下腺･耳下腺腫瘍摘出，早期喉頭がんに対するレーザー手術など，多岐にわたり幅広い領域に対してより専門性の高い手術を行っています。
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 11 0.09%
異なる 8 0.06%
180010 敗血症 同一 52 0.41%
異なる 3 0.02%
180035 その他の真菌感染症 同一 12 0.09%
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 30 0.24%
異なる 1 0.01%
　上表の4つの傷病は，治療を行う上でゼロにはなり得ませんが，医療の質向上のため，少しでも改善すべきものとして挙げられている疾患です。入院契機欄の「同一・異なる」については，患者さんが入院するきっかけとなった病気や症状と最終的な診断名が同一か異なったかという意味となります。
　播種性血管内血液凝固症候群（ＤＩＣ）や敗血症は他病院等からの紹介で入院の契機となる患者さんのほか，重篤な外傷や，がんあるいは大手術後に合併症として発症することもあります。当院はがん診療拠点病院であり，また，救命救急センター（三次救急病院）を有しているため，生命の危機にある重篤な患者さんを多く受け入れていることも発生の一要因であると考えられます。ＤＰＣ病名と入院契機病名が異なった患者さんの内訳は，がんや感染症で入院後も全身状態が悪化してＤＩＣや敗血症といった重症な病態になってしまった症例です。
　手術・処置などの合併症は，ほとんどが同一である症例です。これは合併症の治療を入院目的として入院され，治療を受ける方が多いことを示します。
　手術や処置などは合併症を起こさないように細心の注意を払って行っています。しかし，合併症はどうしても一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症については，事前に可能な限り患者さんに説明したうえで，手術や処置の実施に同意いただいております。
更新履歴
2021/9/30
令和2年度の病院指標を公開しました。