大崎市民病院Osaki Citizen Hospital

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より精度の高い放射線治療を提供したい│安藤 弘和│放射線部本院放射線室 放射線治療係長

医学物理士の資格を取得

私の主な業務は,医師の指示のもと,レントゲンやCT,MRIなど放射線を使った検査を行うこと,それからがんなどに対する放射線治療を行うことです。医療現場で使われる放射線機器は,毎年新しいものが開発されています。携帯電話と同じようなイメージを持ってもらえると分かりやすいと思いますが,まさに日進月歩です。私は放射線技師になって16年目。新しい機器を見るたびに,驚きと喜びがありますね。その一方で,新たな難しさを感じるようにもなりました。現在の放射線機器は,放射線の強さや広がりを数学的に変換し,それを立体的な形などに表現,制御しています。数学や物理の知識を身に付ける必要を感じ,医学物理士の勉強をスタート。病院の後押しもあり,2012年に資格を取得しました。

対話を工夫して不安を和らげる

放射線は一度当てるとやり直しができません。一回一回の正確さが問われるので,精度管理には特に気を使っています。どの場所にどの程度放射線をあてるのか事前に計画を立て,計算通りに機器が動くよう丹念にセッティングするのが何より大事です。より精度よく,より安心して治療を受けてもらいたいですね。現在の放射線治療はがんの形にあわせて,その部分だけに放射線を当てることができるほど精度や技術が向上しています。がんの種類や場所によっては治療の第一選択肢にあげられるようになっています。放射線治療は時間のかかる治療です。疑問点など,患者さまの話をよく聞いて,少しでも辛い治療をサポートできればと考えています。恐怖心や緊張を和らげられるよう,会話の仕方やタイミングにも気を遣うようになりました。がんと診断されて落ち込んでいる患者さんに,笑顔になって帰ってもらえたらいいですね。

最新機器で地域の医療を守る

放射線治療部は,若いスタッフが多く,明るく活気ある雰囲気です。スタッフ同士の仲もよく,連れだって飲みに行くことも多いですね。勉強や講習会も頻繁に開き,皆で技術を深められるよう心掛けています。大崎市民病院は地域に根付いた病院です。近隣の開業医や分院との連携も強く,しっかりコミュニケーションが取れています。新病院では,今まで仙台でしかできなかった検査や治療が大崎でできるようになり,今までより細やかに地域のニーズに応えることができるようになりました。放射線技師の仕事は緊張を強いられることや大変なことも多いですが,当院はそれを上回るやりがいを感じられる職場だと感じています。

ある日の安藤さん

8:00 出勤 機械の立ち上げとウォームアップをスタート。外来患者さまの治療に備えます。
9:00 放射線治療業務 放射線治療を行うスタッフは,6~7人。皆で分担して,1日に約50人の患者さまの治療に携わります。
12:00 昼食 昼食はコンビニで購入することが多いそう。スタッフ同士で集まって会話しながら食事します。
13:30 放射線治療業務 照射の条件など大切なことはダブルチェックが必須。何度も確認を重ね,ミスを防止しています。
17:15 退勤 明日の準備をして退勤。勉強会が長引けば,少し残業することもあります。